一般社団法人芦屋青年会議所-JCI-

2025年度・理事長あいさつ ASHIYA JC

理事長

はじめに

芦屋JCは⼤きな歴史を紡ぎ、芦屋のまちづくり、⼈づくりに貢献してきました。今も多くの諸先輩⽅が地域でご活躍され地域活性化の⼀翼を担っており、芦屋の⽂化として定着している活動があります。私が担う2025年度もこれから始まる運動がいつか地域に根ざし
市⺠が形成する芦屋の⼀つとして定着するような運動をしてまいります。
この芦屋において⽬を向けるべき課題は少⼦⾼齢化問題であると考えています。近隣の⻄宮市では⾼齢化率は24%、東灘区では25%であることに対し、本市は31%と阪神間の中でも近隣⾃治体よりも⾼い傾向にあります。防災や福祉の地域移⾏化が進み、地域でともに
助け合う共助の考えがより重要性を増す中で、今後ますます若⼿の⼒が求められていくでしょう。しかし若者がまちから減ると地域のはたらきが鈍化し、そこを補う⾏政サービスの負担が⼤きくなるため、適切なまちづくりへの歩みも他市に遅れをとることが予⾒されま
す。この地域課題は、40歳までの若⼿世代で共感し合い集まったJCだからこそ、同世代に向けて感情を共振させることがで、より有効にアプローチできる問題です。課題解決に向けて若者のシビックプライドを醸成し、市外に住んだとしても、いずれ芦屋に戻りたい、芦屋を市外からでも応援したいと思っていただけるような感情を芽⽣えさせる必要があります。そのために私たちも先達が⽣み続けたJC運動を絶やすことなく脈々と受け継ぎ、地域のために全⼒で運動を起こさなければなりません。
本市は当選当時27歳という全国最年少の市⻑が選ばれた⾃治体です。住⺠の決断も⼤きく変わり若⼿に期待されている中で、私たちもその期待に答えるべく、変⾰を進めるとともに率先して地域を牽引するリーダーとして芦屋JCがあり続けることを⽬指し、運動を創る。
私たちの若きエネルギーが芦屋をさらに活性化させてまいります。

感情を揺さぶる運動を⽬指して

今、社会が注⽬する指標として地域幸福度、いわゆるウェルビーイングがあります。これは⾁体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてがよい状態にあることを意味しています。このウェルビーイング向上の重要な因⼦には個⼈の感情があり、例えば社会貢献をしたことや⾃⼰成⻑の達成感、様々な居場所があることの安⼼感などポジティブな感情によって達成されるものです。また趣味や地域など、家庭や会社、学校以外で⾃分らしさを出せるサードプレイスと呼ばれる場を持つことがウェルビーイングを向上させます。しかし、近年では特に地域という場において課題があり、集まる機会が減少傾向にある、機会が⽣まれても⼈が来ない、場そのものが無くなっている現状があります。この地域という場を⼤事にすることが今芦屋で⽣活する若者や、これから芦屋に⽣きる世代においても必要と思っていただけるように、⼈と⼈のつながりを創るとともに地域に幸福を⽣まれさせなければいけません。ウェルビーイングの向上、すなわち幸福感という感情を⼤事にして運動を拡げていくことが必要なのです。
この地域の場の減少は共働き世帯の増加や、少⼦⾼齢化、多様な⽣活など社会変化によって⽣じているものです。地域の場を不要としている⽅も増えている中では時代を逆⾏する考えでもあります。それを踏まえた上で、それでも芦屋に住む皆がこの地域にいることが楽
しいと感じてもらえるように感情に訴えかけて皆の⼼を動かすことができればこそ、芦屋はより⼼豊かになり、地域の結束も強くなりなります。そんな昨今の社会変化さえ吹き⾶ばせるような感情を動かす運動を⽬指します。

⼈を巻き込むまちづくり”Enroll”

芦屋には魅⼒が詰まった場所が数多くあり、また活発に活動する⽅々が多くいらっしゃいます。我々はそんな諸団体、教育機関、施設を巻き込み、後世に渡って連携が続く仕組みを⽣むことで、より地域のつながりを強固にします。連携強化によって地域が強くなり、新
たな⼈と⼈の関係や催しが活発になれば、地域の若者が関わりを持つ機会が⽣まれ、その継続がウェルビーイングを⽣み、地域愛が育まれることでしょう。いずれは芦屋に住みたい、今後も芦屋に住み続けたいと思いを⾼めるきっかけともなり、若い世代へ向けてこの思いを芽⽣えさせることが芦屋の課題解決につながります。私たちが常にこの課題解決に対する意識をもち、⽬標を定め事業を起こすからこそ運動が⽣まれることを念頭に置き、積極的に感情に訴える挑戦します。
また、2025 年は阪神淡路⼤震災から30 年の節⽬に当たります。災害には、30 年限界説と呼ばれるほど、30年が経過すると世代交代によって当時の記憶や経験を伝える者が減り、知らない者が増えることで継承が難しくなるという問題があります。多⼤な影響を受けた芦屋においても、地域に根ざしたまちづくりを進める団体として、阪神・淡路⼤震災に基づく事業を軸に発災が危惧される南海トラフ地震等に向けた防災意識の向上を促進することでより地域を強くし、持続可能なまちづくりに貢献します。

魅⼒ある会員育成”Enticing”

現在、芦屋JCは加⼊して数年の歴の浅いメンバーが⼤半を占めています。メンバーは皆、芦屋のことを考えより良くしたいと考えていますが、それだけでは100%のポテンシャルは発揮できません。JC として運動を起こすために、まずはその理念をしっかりと理解するこ
とが必要です。⾃⼰の修練、社会への奉仕、そして世界規模の友情、⽂字で知ることは簡単です。しかし実際にあらゆる場に赴き、あらゆる⽅の話を聞き、そしてJCという組織の中で積極的に動く必要があります。同世代でともに考え動き、良き友として切磋琢磨できる団体は唯⼀無⼆です。そしてときに全国あるいは世界的なスケールで運動を起こすからこそ、通常では成し得ない⾃⼰成⻑や⾃⼰実現を果たすことができるJCをより深く理解していく必要があります。
また、私たちは組織の中で考え動くことを必要とし、理路整然とした考えの整頓や、他⽅に協⼒を得るための段取り、事業で効果的に協⼒していただくために必要な情報伝達⼒を備えてこそリーダーとしての素質が育成されます。そしてこの⼒はVUCA と呼ばれる時代の中で⾃分の⾝ひとつで⽣き抜く能⼒の成⻑にもつながります。JC という組織の中で動くことで培った⼒が、⽬まぐるしく移り変わる社会変化の中でも求められる⼈としてメンバーを⼤きく⾶躍させることに結びつく育成をし、それは同時に魅⼒ある⼈への成⻑を促します。

共感を呼ぶ会員拡⼤”Empathy”

2024年度は⼤塩理事⻑の下、芦屋JCの理念に共感いただき多くの同志が集まりました。
本年においてもその拡⼤の思いを絶えさせることなく、継続して積極的に拡⼤を⾏います。
私は1 ⼈では何もできず、私の考えたこと、やりたいことはこれまでも誰かの⽀えや協⼒があって初めて⾏動に移すことができました。これから私たちが起こそうとしている運動も同様に会員や共感される⽅々がいてこそJCとして動くことができるのです。理念共感のためにはメンバー⼀⼈ひとりが当事者意識をもって役職に関わらず拡⼤に意識を向け関わっていき、全会員がより多くの⽅に出会い芦屋JCの魅⼒を伝えることで、様々な⽅が私たちの魅⼒に気づいてくれることでしょう。そして、私たちがJCの魅⼒を語ること、夢を語る拡⼤活動は⾃らもまちを創る当事者であることを再認識するきっかけとなります。拡⼤活動はメンバー⾃⾝を成⻑させることにも通じ、より新たに出会った⽅々を巻き込みたいと喜び楽しめるようになります。⾃ずと楽しんで⼈と出会い、出会った⽅々も私たちをみて魅⼒を感じ賛同していただけるような会員拡⼤を⽬指します。

質を⾼める組織構築”Enhance”

JC の根幹ともいえる総務は、役職任期が1 年のみであるJC の特徴から、組織を円滑に動かすための構想を常に考える必要があります。令和の時代に⼊り⽇本はsociety5.0 を掲げ、情報社会のその先を進もうとしています。その過程で情報通信技術は格段に発達し、「超⾼速・超低遅延・超⼤量接続・超⼤容量」をもたらしました。私たちはJCのルールを遵守しつつも、より円滑で効率良く最⼤限の⼒を発揮できるよう、この時代の変⾰に乗り遅れること無く、会議の在り⽅を⾒直してまいります。そして円滑な運営をするためには、メンバー同⼠の連携連絡が不可⽋です。よりメンバー同⼠が⾝近に感じられるような組織構築を進め、各⾃が組織を形成しているのだという意識を醸成します。
また、阪神7⻘年会議所での運動全体では、私たちが協働して⼒を発揮し、率先してこの7地区の連携強化や友好関係の構築のために動くことで、時に1LOMではできないことも、結束があれば成せることがあります。それは私たち芦屋JCの発展に寄与すると同時に個⼈
同⼠の関係性も構築されることでメンバー⾃⾝の成⻑や発展にもつながります。本年は芦屋JCが阪神7⻘年会議所の主管を務めることも踏まえ、積極的に全体を取りまとめるとともに皆様に芦屋を知っていただく機会を作り、今後の芦屋の発展に寄与してまいります。

最後に

私たちはまちづくりを核とした⻘年団体であり、40 歳までしか所属できないという制限がある中で、この時代の変⾰に対応していかなければなりません。限られた時間の中で、最⼤限にポテンシャルを発揮できるように各メンバー同⼠で綿密に連携を取り、意識を前に
向け取り組んでまいります。私達が動けば、まちが変わり、社会が変わる。私たちが主導して社会を変えたのだと実感できれば、より内部の動きが活発になります。メンバーが事業に関わることの喜びを知り、全⼒でアクションを起こしてきて良かった、楽しかったと思えるような1 年を作ります。きっと誰かのために⼀⽣懸命になることが、⾃⾝の成⻑や幸福につながることでしょう。
そしてその運動の喜びがまち全体に伝播すれば、地域としてこの芦屋のためにもっとなにかをしたいと思う⽅が増え、より⼤きな運動へと発展させ、いずれはいつまでも芦屋を愛する感情を⼤事にできるまちとなるでしょう。
皆様とより多くの交流やまちづくり、芦屋愛を育むような感情揺さぶる運動ができることを楽しみにしてこの1年をしっかりと努めます。